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「インボイス制度」反対署名54万3114筆 岸田首相へ手渡し実現。100万筆達成で中止へ追い込む【篁五郎】

会見で配られた資料:筆者撮影

 

◾️「インボイス中止・廃止」の署名活動は継続していく

 

 STOPインボイスは、岸田首相に署名を届けた後も活動を継続する意向を示している。理由として「今なおインボイス制度は業界団体や当事者から反対の声が根強い」「インボイスを巡って現場で混乱が起きている」「すべての事業者にとって負担でしかない」という点を挙げた。また全国367の地方自治体がインボイス反対の採択を取っており、地方からも反対中止の声が出ている点も挙げている。中止が採択された原因はシルバー人材センターで働く高齢者もインボイスによって苦しむからだ。

 実はシルバー人材センターで仕事をしている人は業務請負契約をして仕事をしている場合が多い(※1)。業務請負契約だと事業者になるためインボイスに登録すると消費税の納税義務が生じる。仕事で得られる報酬は年間で45万円程度(※1)。そこから消費税を払うことになる。

 そのため地方自治体で問題視され、115の地方議会でシルバー人材センターに関する意見書の請願・陳情が採択された。そのうち100の自治体が全会一致である。

 インボイスで事業者扱いされる人々は他にもまだいる。近年、太陽光発電で余った分を電力会社に売っている家庭があるが、彼らは事業者になる。もちろん彼らは自分たちが事業者なのは知らないからインボイスに登録しない。そうなると消費税を負担するのは電力会社だ。そのため電力会社はインボイスによる消費税負担分を電気料金の値上げで賄うと明言している(※2)。

 他にもヤフーオークションやメルカリ、Amazonに出品している人、自宅前に自販機を設置している人も事業者となるし、Amazonの配送業者、Uber Eatsの配達員もインボイスの対象になる。副業をしているサラリーマンもインボイスの登録対象であるし、配送業者も対象となるのだ。

 STOPインボイスは「署名数が9月になって急増したのは、インボイス開始前に登録しない事業者とは取り引きできないという通告が受けたフリーランスや値引きを強要された零細企業が増えたからだろう」と見解を述べた。

 

※1 全公共HPを参照:https://koueki.jp/online/shibuyasyo_1/

※2 電気代がインボイス制度導入で10月に値上がり…電力会社の負担が消費者にしわ寄せ(東京新聞):https://www.tokyo-np.co.jp/article/270876

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篁五郎

たかむら ごろう

1973年神奈川県出身。小売業、販売業、サービス業と非正規で仕事を転々した後、フリーライターへ転身。西部邁の表現者塾ににて保守思想を学び、個人で勉強を続けている。現在、都内の医療法人と医療サイトをメインに芸能、スポーツ、プロレス、グルメ、マーケティングと雑多なジャンルで記事を執筆しつつ、鎌倉文学館館長・富岡幸一郎氏から文学者について話を聞く連載も手がけている。

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